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子宮頸がんの検診は50代でも必要?女性特有のガンの疾患リスクや検査の重要性も解説

子宮頸がんは、30代・40代の方を中心にかかる疾患ですが、50代で発症するケースも少なくありません

国立がん研究センターの年齢階級別の罹患率でみると、一位は40代、二位が50代です。※1

子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染した後、ゆっくりと進行し、前がん病変を経て発症します。多くの場合、発症まで数年から10年ほどかかります。

本記事では、次の内容についてお伝えします。

  • 50代の方へ子宮頸がん・卵巣がんの原因・症状
  • 子宮頸がん検診を受けるべき理由
  • 子宮頸がん検診に関するよくある質問

子宮頸がん検診を検討中の50代の方は、ぜひ参考にしてみてください。

1回5分で全身のがんリスクがわかる!※1

採血でがん細胞を捕捉「マイクロCTC検査」

  • 1cm未満の早期がん細胞も捕捉可能
  • がん細胞を直接捕捉・個数まで提示
  • 特異度94.45%の検査精度※2
事前準備不要
医療被ばくなし
検査費用198,000円
検査時間1回5分
※料金はすべて税込価格です ※1.血液がんを除く ※2.陰性時にがんに罹患していない正確性
目次

50代が注意すべき子宮がん・卵巣がんとは?

子宮には、子宮の入口にあたる頸部と子宮の奥部分の体部があり、卵巣は子宮の横に左右一つずつあります。

子宮の頸部・体部、卵巣にがんが発症する原因は、ウイルス感染やホルモン異常、遺伝子などです。

ここからは、50代が注意すべき子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんそれぞれの特徴・原因について詳しく説明します。

子宮頸がんの特徴・原因

子宮頸がんは、子宮の入り口である頸部にヒトパピローマウイルス(HPV)が感染し、発症します。

HPVウイルスの感染自体は、珍しいものではありません。皮膚や粘膜から感染するごく一般的なウイルスで、性交渉の経験がある50%以上の女性は感染する可能性があるといわれています。※2

多くの場合、HPVウイルスに感染しても免疫の力によって自然にウイルスは排除されますが、約10%の人は排除されません。

持続感染によって異常な細胞が生まれ、異形成とよばれる前がん病変になります。

子宮頸がんは、前がん病変から数年~10年の長い時間をかけて進行するため、早期に治療を行えばがんになる前に完治が可能です。

子宮体がんの特徴・原因

子宮体がんは、子宮の内膜に発生するがんです。発症の原因には、女性ホルモンの一つである卵胞ホルモン「エストロゲン」が深く関係しています

出産経験のない方、肥満の方、月経不順の方、ホルモン療法を受けている方は、子宮内膜の発育を促す卵胞ホルモンが過剰に増える可能性があり、子宮内膜増殖症を経て子宮体がんを発症するケースが多いです。

そのほか、がん関連遺伝子の異常により発症する恐れがあるため、家族に乳がんや大腸がんにかかった人がいる場合は発症リスクが高まります。

子宮体がんは、比較的高齢者に多くみられますが、高血圧症、糖尿病の方も注意が必要です。

卵巣がんの特徴・原因

卵巣がんは、子宮の左右にある卵巣から発生するがんです。

卵巣には、良性腫瘍や良性と悪性の中間である境界悪性腫瘍が多く、約10%は遺伝が関与していると考えられています。※3

とくに、生殖細胞系列のBRCA1とBRCA2の遺伝子に異常がある場合、卵巣がんと乳がんの発症リスクが高まります。

また、閉経のほか、卵巣がんにつながる疾患では子宮内膜症をはじめとする婦人科系の疾患、生活習慣や肥満などです。

50代でも子宮頸がん検診を受けるべき理由

子宮頸がんは、20代、30代、40代だけが発症するわけではありません。

ここからは、50代の子宮頸がん発症リスク、子宮頸がんの早期発見・治療の重要性についてお伝えします。

50代でも子宮頸がんの発症リスクはある

子宮頸がんの患者数は、20代後半から増え始めて、30代後半~40代が多くなります。

比較的若い女性に発症しやすいとされている子宮頸がんですが、50代の発症も少なくありません

国立がん研究センターが発表した年齢別の疾患率は下記のとおりです。

<子宮頸がんの年齢階級別罹患率(2019年)>

スクロールできます
年齢(女性)罹患率
25~29歳 5.3%
30~34歳 16.2%
35~39歳 26.7%
40~44歳 27.8%
45~49歳 27.8%
50~54歳 26.0%
55~59歳 24.0%
参照:がん情報サービス「がん統計」

検査による早期発見・治療が重要

多くのがんは、時間の経過と共に進行しますが、初期の自覚症状はありません。

がんは重症化すると、治療の選択肢が狭まる可能性があります。

身体的につらい治療を受けざるを得なくなったり、高額な費用がかかったり、命に関わるという不安から精神的な苦痛も伴うでしょう。

子宮頸がんは、初期の段階で発見し、適切な治療を行えば完治を目指せる疾患です。

子宮頸がん検診の最大のメリットは、がんの早期発見・早期治療です。健康状態に問題がない方も、定期的に受診しましょう。

子宮頸がん検診の種類

ここでは、子宮頸がん検診の種類について説明します。

  • 子宮頸部細胞診
  • 経腟超音波(経腟エコー)
  • HPV検査
  • コルポスコピー検査

子宮頸部細胞診

子宮頸部細胞診は、科学的に死亡率減少の効果があると認められた検査方法です。そのため、一般的にはまず子宮頸部細胞診をおこないます。

検査方法は、専用器具(クスコ)で膣を広げて内部の状態を視診し、ブラシやヘラなどの専用器具で子宮の入口である頸部の細胞を採取し、顕微鏡で観察して異常な細胞の有無を調べます。

検査自体の所要時間は5分程度、細胞の採取は1分程度です。

専用器具を挿入するときや、細胞をこすりとる際に、痛み・違和感が生じる場合がありますが、できる限り身体の力を抜くよう心がければスムーズに検査は終わるでしょう。

初めて検査を受けられる方や検査に対する不安がある方は、なるべくリラックスして検査に挑みましょう。

経腟超音波(エコー)検査

経腟超音波(エコー)検査は、膣に棒状の超音波装置(プローブ)を挿入し、体内からの反射波を利用して子宮や卵巣の状態を画像化して詳しく観察する検査です。

リアルタイムでエコー画像の確認ができるため、がんだけでなく、ポリープ、子宮内膜症、子宮筋腫などの病変を早い段階で見つけられます

所要時間は、5~10分程度です。

一般的に検査時の痛みはありませんが、さまざまな方向にプローブを動かす際に違和感が生じる場合もあります。

また、被ばくの心配はなく、身体に無害なため、安心して繰り返し受けられるメリットがあります。

HPV検査

HPV検査は、がんを引き起こす可能性があるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染有無を調べるDNA検査です。がんになっているかどうかを調べる検査ではありません。

HPVウイルスは100種類以上ある、ごくありふれたウイルスです。性経験の女性の50%以上が、生涯に一度は感染するといわれている一般的なウイルスです。※4

HPVウイルスの大半は、問題を起こしません。

しかし、ハイリスク型とよばれる13の型(16、18、31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、68型)は、がんの発症と深く関係しています。

HPV検査は、子宮頸部の細胞を採取し調べることで、ハイリスク型HPVの感染状況がわかります。

がんになる可能性をいち早く確認できることから、子宮頸部の浸潤がん罹患率減少効果に大変有効です。

また、HPV検査と子宮頸部細胞診の併用は、もっとも感度が高い検査であると認められています。※5

コルポスコピー検査

コルポスコピー検査では、コルポスコープと呼ばれる拡大鏡を使用し、子宮頸部を拡大して観察します。

そして、病変が疑われる部分の細胞や、必要に応じて円錐状に切除した子宮頸部の一部などを採取し、顕微鏡で詳しく調べます。

一般的に子宮頸部細胞診で異常が指摘された際、精密検査として実施する場合が多いです。

所要時間は10分程度で検査の痛みはありませんが、病変を見つけやすくするために、子宮頸部に酢酸を塗布する必要があるため、多少沁みる場合もあります。

50代での子宮頸がんを予防する方法

50代で子宮頸がんにかからないためには、ワクチンの予防接種が有効です。

ここで、HPVワクチンの接種と、接種後にあらわれる可能性がある症状についてお伝えします。

HPVワクチンを接種する

子宮頸がんの予防には、ヒトパピローマウイルス(HPV)の予防接種が有効です。

HPVワクチンは、子宮頸がんの50~70%の原因であるHPV16型と18型に対する有効率が、90%と推定されています。※6

ワクチンは、ウイルスに感染する前に接種すれば、体内に抗体をつくり、感染を予防する働きがあります。

すでにHPVに感染している場合でも、HPV16型、18型に感染していない方にはHPVワクチンは有効です。将来の感染と子宮頸がん予防につながります。

これまで、HPVワクチンの接種経験がなく、HPV16型、18型に感染していない方は接種をご検討ください。

また、十分な効果を得るためには、決められた回数の接種が重要です。接種の回数・間隔は受診する医療機関に確認しましょう。

なお、50代の方は任意接種となるため、費用は全額自己負担です。

接種後にあらわれる可能性がある症状

HPVワクチンを接種した後に、下記のような症状があらわれる可能性があります。

HPVワクチン接種後の副反応

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発生頻度症状
50%~接種した部位の痛み・腫れ、赤み、疲労など
10~50%未満かゆみ、関節や筋の痛み、腹痛・頭痛など
1~10%未満蕁麻疹、めまい、発熱、悪心、下痢、内出血など
1%未満知覚異常、嘔吐、倦怠感、不快感、接種した部位からの出血など
参考:HPVワクチンに関するQ&A|厚生労働省

接種後に異変を感じた際は、接種を受けた医療機関にご相談ください。

接種後に生じた症状を診察する協力医療機関が都道府県ごとに設置されています。まずは接種を行った医師に報告しましょう。

HPVワクチンの接種により治療が必要となった場合は、予防接種法に基づく救済が受けられる場合があり、医療費や障がい年金などの給付が受けられる場合があります。

子宮頸がん検診に関するよくある質問

最後に、子宮頸がん検診に関するよくある質問を紹介します。

  • 子宮頸がんの初期症状は?
  • 妊娠中も子宮頸がん検診を受けられる?
  • 子宮頸がん治療は手術でお腹を切る?

検診の受診を迷っている方、子宮頸がんの治療が心配な方はぜひ参考にしてみてください。

子宮頸がんの初期症状は?

初期の子宮頸がんは、自覚症状がありません。まれに月経以外や性交時などに少量の出血が見られる場合がありますが、検診で発見されるケースが大半です。

国立がん研究センター「がん対策研究所がん登録センター」は、初期の段階から子宮頸がんを発見した場合、5年生存率は93.3%と発表しています。※7

子宮頸がんは早期に発見し、適切な治療を行えば命を落とす危険はありません。

また、身体的・経済的負担が少ない治療が受けられるほか、短い治療期間で完治を目指すことが可能です。

妊娠中も子宮頸がん検診を受けられる?

子宮頸がんは、胎児に影響を及ぼす可能性があります。

母親が子宮頸がんを発症していた場合、羊水を通じてお腹の中の赤ちゃんにがん細胞が移行されてしまう恐れがあるため、子宮頸がんの検査は妊婦検診の必須項目です。

妊娠されている方は、子宮頸がん検診を受診しましょう。

妊婦に対する子宮頸がん検診は、通常とガイドラインが異なるため産婦人科での受診をおすすめします。

子宮頸がん治療は手術でお腹を切る?

がんの進行具合によりますが、初期の段階では開腹手術の必要はありません

子宮の入り口の一部を、レーザーや電気メスで円錐状に切除します。医療機関にもよりますが、一般的に手術時間は30~1時間、入院は1~2日程度です。

その後、切り取った組織を詳しく調べ、検査結果に基づいた経過観察やその後の治療方針を決めていきます。

50代の方はマイクロCTC検査もおすすめ

マイクロCTC検査は、簡単に短時間で全身のがんリスク検査を受けたい50代の方におすすめです。

マイクロCTC検査の検査方法は、採血のみです。準備を含めても1回5分程度で終了します。

また、特定の部位のみを調べるがん検診と異なり、全身のがんリスクの把握が可能です。

ここからは、マイクロCTC検査の概要と特徴を詳しく解説します。

1回5分の採血で全身のがんリスクがわかる

マイクロCTC検査は、1回5分の採血で全身のがんリスクがわかる検査です。

少量の血液を採取するのみで、検査時の苦痛や身体への負担が少ないため、通勤やお買い物のついでにも検査が受けられるでしょう。

子宮頸がんはもちろん、血液がんを除くすべてのがんのリスクが調べられることもマイクロCTC検査の特徴の一つです。

子宮頸がん検診では、子宮頸部の細胞の状態や、子宮頸がんの原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染有無しか検査できません。

そのため、思わぬところにがんが発症していた場合、見落とす可能性があります。

マイクロCTC検査は、血中に漏れ出したがん細胞そのものを捉え、個数までをも明示するため、全身のがんリスクの確認が可能です。

悪性度の高いがんを的確に発見

マイクロCTC検査は、悪性度の高い「間葉系がん細胞」を的確に発見できる検査です。

「間葉系がん細胞」は、周囲の臓器・組織に浸潤し、身体の至るところに転移する能力を持っています。また、活発に増殖し、進行のスピードが速い特性もあります。

一方、「上皮性がん細胞」は、増殖・進行しないケースが多く、再発リスクの心配もありません。

しかし、一部の「上皮性がん細胞」は、「間葉系がん細胞」に形態変化する現象も確認されています。

マイクロCTC検査では、「間葉系がん細胞」そのものと、上皮間葉転換により「形態変化した間葉系がん細胞」を特定し、捕捉できます。

がんの早期発見・治療につながる

マイクロCTC検査は、がんの早期発見・治療につながる画期的な検査です。

通常、がんは1cmに成長してから発見されます。がんが1cmに成長するころには、細胞数は10億個以上に増えており、その後急速に進行します。

「がん検診を受診する時間がない」「健康状態に問題がない」などの理由で、数年検査を受けなかった場合、すでに進行がんになっているケースも少なくありません。

マイクロCTC検査の場合、1cm未満のがん細胞も捕捉します。

非常に早い段階でがん細胞を捉えるため、進行がんになる前に適切な治療が受けられるメリットがあります。

まとめ

子宮頸がんは、若い世代だけでなく、50代以上でも発症するリスクがあります。

しかし、東京都の子宮頸がん検診の年代別受診率では、30代が65.8%、40代が68.6%と6割を越えているのに対し、50代は58.8%、60代は35.9%と年代が上がるにつれて受診率が低くなることが報告されています。※8

人生100年時代といわれる現代で、いつまでも健康かつ若々しく暮らすためにも子宮頸がん検診の受診をご検討ください。

<参考サイト>
※1:がん情報サービス「がん統計
※2:厚生労働省「ヒトパピローマウイルス感染症とは
※3:がん情報サービス「卵巣がん・卵管がん
※4:厚生労働省「ヒトパピローマウイルス感染症とは
※5:慶應義塾大学医学部「子宮頸がん検診におけるHPV検査導入の検討
※6:厚生労働省「HPVワクチンの有効性について
※7:がん情報サービス「院内がん登録生存率集計結果閲覧システム
※8:東京都保健医療局「令和2年度 健康増進法に基づくがん検診の対象人口率等調査

※本記事は可能な限り正確な情報を記載しておりますが、内容の正確性や安全性を保証するものではありません。
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