「マイクロCTC検査とPET検査の違いを知りたい」
「2つの検査で調べられるがんの種類には違いがあるのか」
「新しく出てきたマイクロCTC検査の信頼性に不安がある」
がん検診に対して、このような不安や疑問をかかえていないでしょうか。さまざまな種類があるがん検査のなかで、自身に合った検査を選ぶことは簡単ではありません。
本記事を読めば、マイクロCTC検査とPET検査の特徴がわかり、がん検査を受ける際の判断材料となるでしょう。
マイクロCTC検査とPET検査の違いや、それぞれの検査に関するよくある質問についてもあわせて紹介するため、ぜひ参考にしてください。
マイクロCTC検査とPET検査の概要
ここでは、マイクロCTC検査とPET検査との違いや、マイクロCTC検査の特徴について紹介します。
マイクロCTC検査について
詳細情報
マイクロCTC検査 | |
---|---|
検査費用 | 198,000円 |
検査方法 | 採血 |
検査でわかること | 全身のがんリスク※1 |
捕捉対象のがん細胞 | 間葉系がん細胞 (高悪性度) |
マイクロCTC検査とは、浸潤(しんじゅん)や転移の恐れがある悪性度の高いがん細胞を見つけ出し、その個数まで明確に示せる検査です。
一般的に、全身のがん検診には長時間の拘束を要しますが、マイクロCTC検査であれば、1回の採血のみで、血液がん以外のがんを高い精度で判定できます。
PET検査について
PET検査(Positron Emission Tomography)は、放射性薬剤を投与することで、体内における薬剤の動きを画像化する検査です。PET検査では、CT検査のように頭部、胸部、腹部などの部位ごとではなく、全身を一度に検査できます。
がん細胞は、正常な細胞と比べてブドウ糖を取り込む力が約3~8倍あるため、ブドウ糖が多く蓄積している場所の観察により、がん細胞の位置や大きさ、悪性度などを調べられます。
マイクロCTC検査とPET検査の主な違い
ここでは、マイクロCTC検査とPET検査の違いについて紹介します。
- 検査できるがんの種類
- 安全性(被ばく量)
- 所要時間
- 検査費用
マイクロCTC検査とPET検査の違いがわからず、どちらの検査が自身に合っているかわからない方は、ぜひ参考にしてください。
検査できるがんの種類
マイクロCTC検査は、血液がん以外のすべてのがんリスクを判定できます。一般に従来のがん検査では1cm未満のがんは発見できないといわれていますが、マイクロCTC検査であれば、1cm未満の初期のがん細胞でも発見できます。
一方でPET検査は一部のがんの早期発見に役立ちますが、全身をくまなく検査できるわけではありません。PET検査は主に甲状腺がんや大腸がんの早期発見を得意としており、血液がんの悪性リンパ腫も調べられます。
それに対して、日本人に多い胃がんの発見は不得意です。また、PET検査では1cm未満のがんの発見は難しく、PET検査で発見された段階ではすでに進行がんになっているケースも少なくありません。
安全性(被ばく量)
PET検査には放射性薬剤を用いるので、医療被ばくの危険性があります。実際に、PET検査1回あたりの被ばく量は2~5ミリシーベルトにもなります。
環境省によると、人が受けられる放射線量の限度は、一般人(放射線技術者ではない方)で年間1ミリシーベルトとされているため、PET検査1回あたりの被ばく量は一般人の限度をはるかに超えていることがわかります。
その一方で、マイクロCTC検査は採血のみであるため、医療被ばくの心配がありません。
所要時間
マイクロCTC検査は、1回5分の採血のみで血液がん以外のすべてのがんを調べられます。一方、PET検査の撮影自体は30〜40分で終了しますが、薬剤の投与や安静時間などを含めた全体の所要時間は2時間ほどです。
マイクロCTC検査は短時間の採血で終わる簡単な検査であるため、仕事や子育てなどでなかなか時間がとれない方や、全身のがん検査をしたくても時間がなくて部分的な検査で済ませていた方におすすめです。
検査費用
マイクロCTC検査の費用は、198,000円(税込)です。
PET-CT検査や全身MRI検査などの従来のがん検査で全身のがんを調べる場合は、一般的に20〜30万円弱の費用がかかるため、マイクロCTC検査は比較的安価といえるでしょう。
PET検査に関してのよくある質問
ここでは、PET検査に関する次の質問について回答します。
- PET検査で注意しなくてはいけない点
- どの程度の頻度で検査をする必要があるか
- PET検査以外のがん検査の方法について
PET検査で注意しなくてはいけない点はありますか?
PET検査を受ける場合は、次の点に注意しておきましょう。
【運動制限】
検査前日から当日の激しい運動は控えましょう。検査前に激しい運動をすると、検査薬が筋肉に集まって正確に検査できなくなる可能性があります。
【食事制限】
検査に支障をきたすため、検査の5〜6時間前から食事やアメ、ガムなどの糖分を含むものは摂取できません。
ただし、糖類が入ってないもの、お水やお茶は摂取は可能です。また、検査前日は普段どおりに食事をして問題ありません。
【検査中は安静にする】
検査薬が全身に行き渡るように、1〜2時間程度は動くことや話すことは避け、安静にする必要があります。
【血糖値】
検査結果に影響するため、糖尿病の方は検査5時間前までにはインスリン注射や血糖降下薬の服用を終える必要があります。
どの程度の頻度で検査をする必要がありますか?
PET検査を受ける頻度は年齢や危険因子の有無などによっても異なりますが、1〜2年に一度の受診が一般的です。PET検査では放射線被ばくのリスクがあるため、短期間の過度な検査は控えましょう。
PET検査の他にも検査方法はありますか?
がん検査の方法には、 PET検査以外にもCT検査やMRI検査などがあります。
CT検査(Computed Tomography)とは、X線を使った画像診断技術のひとつであり、人体の内部を断層画像(輪切りにしたような画像)にすることで、病変部分の細かい位置や大きさの調査を得意としています。
ただし、PET検査と同様に医療被ばくが問題視されていることに加え、がんが1cmほどの大きさにならないと発見が難しい検査です。
MRI検査(Magnetic Resonance Imaging)とは、人体に高周波の電波をあてることで体内の断面を画像化する検査です。脳や血管、筋肉などの水分が多い組織の検査に向いています。
MRI検査ではX線を使用しないため、放射線被ばくのリスクがなく、比較的安全性が高いとされています。しかし、狭い装置のなかで検査を不安に感じたり、磁場の影響でめまいや吐き気、頭痛を訴えたりする方もいます。
マイクロCTC検査に関してのよくある質問
ここでは、PET検査に関する次の質問について回答します。
- 本当に血液のみでがんがあるかどうかわかるのか
- どの程度の頻度で検査をする必要があるのか
- 線虫を使った検査の方が簡易的で費用も安いのではないか
本当に血液のみでがんがあるかどうかわかりますか?
マイクロCTC検査は、少量の血液のみでがん細胞の存在やその数まで示せる検査です。マイクロCTC検査では特殊抗体によって、採取した血液のなかに漂っている悪性度の高いがん細胞を見つけられます。
検査の特異度は94.45%であることから、がん細胞を高精度で検出できることがわかります。「特異度」とは、がんでない方に対してきちんと「陰性」の判定が出る割合のことをいい、数値が高いほど検査結果が正確であることを表しています。
どの程度の頻度で検査をする必要がありますか?
マイクロCTC検査は、半年〜1年の頻度で受けるとよいでしょう。がんは、1cmの大きさになると急速に進行することが知られており、半年〜1年でステージ1からステージ2や3になることがあります。
がんをステージ1で発見できる期間は非常に短いため、半年〜1年の間隔で定期的に検査を受けるとより安心でしょう。マイクロCTC検査では放射線を使用しないため、定期的な検査による医療被ばくの心配もありません。
線虫を使った検査の方が簡易的で費用も安くないですか?
線虫検査は自宅から尿を送るのみと簡便で、1回の検査費用は14,800円(税込)とマイクロCTC検査よりも安価です。
線虫検査とは、研究用に用いられる小型の線虫を用いた検査方法のことで、嗅覚に優れた線虫が、がんの匂いに反応する習性を応用してがんの有無を調べられます。
ただし、線虫検査では「がんの人は尿からこういう匂いがするケースが多い」と、間接的な指標を元にリスク指数を表示しているため、結果の納得感や信頼感に欠けます。
その点、マイクロCTC検査はがん細胞そのものを直接捕捉できるため、検査結果に対する大きな納得感を得られます。また、マイクロCTC検査は1回5分の採血のみで完了するため、検査の簡便さでも引けをとらないでしょう。
まとめ
PET検査をはじめとする従来のがん検査で全身のがんを調べるには丸一日以上かかり、検査費用も非常に高額になります。また、放射線を使用する場合が多いため、医療被ばくの危険性も無視できません。
一方で、マイクロCTC検査は1回5分程度の採血で済み、血液がんを除く全身のがん検査が比較的安価に受けられます。
定期的ながん検査を簡便かつ安全に、費用を抑えて受けたい方には、高精度でがんリスクを判定できるマイクロCTC検査がおすすめです。