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胃がんの原因はストレス?胃がんの原因と早期発見のための方法も解説

胃がんは、50代から罹患率が急増する病気です。

一生のうちに男性は10人に1人、女性では21人に1人が胃がんの診断を受けるといわれています。

そのため、胃がんにならないよう生活習慣に気を配っている方も多いのではないでしょうか。

しかし、胃がんの発症には生活習慣やピロリ菌への感染以外にストレスも密接に関係していることが研究で明らかにされています。

今回は、胃がんとストレスの関係性について詳しく解説します。胃がんの原因や早期発見に効果的な方法もあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

胃がんとストレスの関係

胃がんは、ストレスと密接に関係していることが研究で明らかにされています

ここでは、胃がんとストレスがどのように関係しているのか詳しく解説します。

ストレスを受けたがん細胞成長の報告

東京大学医学部附属病院と米国コロンビア大学の共同研究によると、胃がんは進行する過程で異常な神経細胞を引き寄せることがわかっています。

そして、これらの神経細胞からのストレス刺激が増えるほど、胃がん細胞に成長がみられることが明らかになったのです。

ストレスが「神経成長因子」ホルモンを刺激

胃の幹細胞にあるアセチルコリン神経細胞と粘膜細胞内にある刷子細胞では、アセチルコリンとよばれる神経伝達物質が作られています。

アセチルコリンは、消化管の調節をおこなう神経伝達物質です。

アセチルコリンにより胃内が強い刺激を受けると、異常な神経細胞を集める神経成長因子と呼ばれるホルモンが発生します。

これらの神経ストレスによる刺激が、胃がんの成長を加速させるといわれているのです。

神経成長因子を標的とした薬剤

アセチルコリン産生細胞を排除したりアセチルコリン受容体阻害剤を投与したりした場合、神経ストレスによる胃がん増殖効果はみられないことが研究で明らかにされています。

現段階でアセチルコリン受容体阻害薬・抗アセチルコリン抗体はほかの病気の臨床実験にすでに活用されている安全性の高い薬剤です。

従来の抗がん剤とアセチルコリン受容体阻害薬を使用した検証実験で効果が確認されれば、神経細胞をターゲットにした治療法が新たに加わる可能性があります。

胃がんとは

そもそも、胃がんとはどのような病気なのかよくわかっていない方もいるでしょう。ここでは、胃がんがどのような病気なのか解説します。

胃の粘膜表面ののがん細胞が増殖

胃がんとは、胃の粘膜細胞が何らかの原因によりがん化したものです。

日本人に多くみられるがんのひとつで、一生のうちに男性は10人に1人、女性は21人に1人が胃がんの診断を受けているといわれています。※1

増殖の結果周辺の臓器に広がる

胃に発生したがん細胞は初めは粘膜下層に留まっていますが、徐々に粘膜の外側にある大腸や膵臓・肝臓などの臓器に拡大するといわれています

さらに、お腹の中にがん細胞が飛び散るように広がる腹膜播種やリンパ液や血液の流れにのって移動し遠く離れた臓器へ転移する可能性もあります。

早期発見・治療が大切

胃がんは早期発見できれば、大半の場合は治癒が可能といわれている病気です。しかし、粘膜外へ広がったあとは、根治が難しいとされています。

早期発見・早期治療につながるよう、50歳以上であれば2年に1回の胃がん検診を受けましょう。

検診対象外の方も人間ドックや総合検診を利用し、胃がんの検査をこまめに受けておくと安心です。

 スキルス胃がんとは

スキルス胃がんとは、胃の壁にしみ込むように拡大するがんを指します。

胃の壁が硬く厚くなるのが特徴で、胃がんの約10%に発生するといわれています。※2

スキルス胃がんは一般的な胃がんのような潰瘍や隆起などの異常が出にくいため発見が難しく、見つかったときには進行胃がんになっているケースも少なくありません。

さらに、一般的ながんに比べて進行が早く腹膜播種も起こりやすいといわれています。

若い女性に多い進行胃がん

スキルス胃がんは、女性に多い病気です

また、通常の胃がんは50代から罹患率が急増するのに対し、スキルス胃がんは20~30代の若い方でも発症しやすい病気といわれています。

原因がまだわかっていない

スキルス胃がんの原因は、未だ解明されていません

何らかの遺伝子変異や血縁者のスキルス胃がんの既往などが仮説として挙げられていますが、詳しい原因は特定できていないままです。

症状は一般的な胃がんと関わらない

スキルス胃がんでも症状は、一般的な胃がんと変わりません。

代表的な症状には、食欲不振・胃痛・胸やけなどが挙げられます。

また、黒い便(血便)が出たり体重減少が起きたりするケースもあります。しかし、初期段階では大抵これらの自覚症状が現れないケースが多いようです。

胃がんの原因

では、何が原因で胃がんになるのでしょうか。

ピロリ菌

胃がんの主な原因は、ヘリコバクターピロリ菌への感染とされています。

ピロリ菌は胃の粘膜に炎症を起こす細菌で、50代以上の方では70%以上が感染しているとされています※3

しかし、感染しても100%胃がんになるわけではありません。ピロリ菌に感染して胃がんが発見された方の割合は、2.9%といわれています。※4

食生活

塩辛や塩蔵魚卵、漬物、魚の干物など、塩分濃度の高い食物も、胃がんのリスクを高めるといわれています。

これは、食塩の摂取で胃粘膜が傷つき発がん物質の影響を受けやすくなるためです。10g/日以上の塩分を摂取している方は、とくに注意が必要です。

喫煙習慣や過度な飲酒

過度な飲酒は、胃粘膜の傷害につながるといわれています。

また、たばこには発がん物質が含まれているため喫煙は胃がんのリスクを高める大きな要因になります。

飲酒は適量を心がけ、喫煙習慣のある方は禁煙に向けて少しずつ本数を減らしていくことが大切です

胃がんの診断と症状

胃がんは自覚症状がとぼしい病気のため、こまめに検査を受けることが大切です。

しかし、どのような検査を受けるのかわからず不安な方もいるでしょう。

ここでは、胃がんの診断に用いられる検査方法と胃がんでみられる症状について詳しく解説します。

診断は内視鏡検査かバリウム検査

胃がんの診断で用いられる検査は、胃部X線検査(バリウム検査)と胃内視鏡検査の2つです。

胃部X線検査は胃を膨らませる発泡剤と造影剤(バリウム)を飲みこみ、胃の形や粘膜を観察するものです。

一方、胃内視鏡検査では口もしくは鼻から内視鏡を挿入して胃の中を直接観察し、がんの範囲と深さを調べます。

バリウム検査では、バリウムが腸内に詰まり腸が閉塞する可能性があります。

過去にバリウム検査を受けて問題が起きた方や水分制限中の方は、検査を受ける前に必ず医師に相談しましょう。

また、内視鏡検査・バリウム検査ともに当日は朝食禁止のため注意が必要です

早期では自覚症状がほとどない

胃がんは早期発見できれば、大半の場合は治癒が目指せるといわれています。しかし、胃がんの初期では多くの場合、自覚症状がありません

進行した場合は、不快感や食欲不振

胃がんが進行した場合には、次のような症状が現れることがあります。

  • みぞおちの痛みや不快感・違和感
  • 胸やけ
  • 食欲不振
  • 吐き気
  • 黒色便
  • 吐血 など

上記に挙げた症状は、胃がん以外の病気でも生じることがあるものです。そのため、症状があったとしても胃がんと結びつかないケースが多いといわれています。

自覚症状のなかで気になる点がある方は、できる限り早めに医療機関を受診しましょう

胃がんがとても進行している場合でも、上記のような自覚症状はまったく現れないケースも少なくありません。

そのため、胃がんにおいて定期的な検査を受けることは重要なポイントといえます。

胃がんの治療方法

胃がんの治療方法には、内視鏡治療・外科治療・化学療法・放射線治療などさまざまな選択肢があります。

治療方法は、がんの進行度合い・身体の状態などを加味して決定されます

初期は内視鏡切除

肺や膵臓など胃以外の臓器やリンパ節への転移がないうえ、がんが粘膜内に留まっている場合には基本的に内視鏡治療が行われます。

内視鏡治療には、粘膜切除術(EMR)と粘膜下層剥離術(ESD)の2種類があります。

粘膜切除術は、がんの部分をスネアという輪状のワイヤーで締めて高周波電流を流し切除する方法です。

粘膜下層剥離術は、高周波ナイフでがん周囲の粘膜を切開し粘膜下層からがんを剥がす方法となります。

粘膜切除術が適用されるのは、がんの大きさが2cm以下で潰瘍もないものです。

一方、粘膜下層剝離術は2cmを超える病変あるいは3cm以下で潰瘍がある病変に適用されます。

進行している場合は開腹または、腹腔鏡手術

進行がんである場合には、開腹手術または腹腔鏡手術が適用となります。

開腹手術とは、みぞおちからへその横あたりまで15~20cm程度切開し、直接臓器を触りながら手術をおこなうものです。

対して腹腔鏡手術は、5~10mm程度の穴をお腹に5~6箇所あけて器具を入れカメラの映像を見ながら手術をおこなう方法になります。

切除範囲は胃がんの進行度合いにより決まっているため、どちらの方法でも切除範囲は変わりません。

また、腹腔鏡手術のほうが手術の傷が小さい範囲ですむうえ術後の痛みが少ないというメリットがあります。

ただし、何度も開腹手術をしたことがある方や胃がんが進行し過ぎている方は腹腔鏡手術ができないケースもあるようです。

手術前後に化学療法を用いる場合も

胃がんの治療では、手術前後に化学療法を用いるケースもあります。

術前の化学療法はがん細胞の切除可能だが、がん細胞がわずかに残ってしまう可能性が高い場合におこなわれます。

化学療法をおこなうことで、がん細胞を小さくし安全かつ取り残しなく切除できるようにするのが目的です。

手術で胃がんを切除したあとも、リンパ管や血管に入り込んでいたがん細胞がほかの臓器にたどり着いて増殖したり、手術で取り切れなかった微小ながん組織が増大したりして再発する可能性があります。

術後の化学療法は、このような未だ身体に残っている可能性がある微小ながん細胞の増殖を抑制し再発リスクを下げるためにおこなわれます。

胃がんは、自覚症状がとぼしく進行が早いがんです。気づいたときには、とても進行しているケースが少なくありません。

そのため、定期検診以外でも胃がんの検査は積極的におこなうことが大切です。

マイクロCTC検査とは

がん検診以外での検査方法では人間ドックや総合検診などが主流ですが、仕事や家事・育児で忙しい日々を送っている方には受診が難しいこともあるでしょう。

実は、胃がんの検査にはマイクロCTC検査というものもあります。

所要時間は1回5分であるため、忙しい毎日を送る方でも隙間時間で受けやすい検査です。ここでは、マイクロCTC検査について詳しく解説します。

 間葉系がん細胞とは

間葉系がん細胞とは、ほかの臓器への浸潤・転移の可能性を持つがん細胞のことです。

がん細胞は発生当初、上皮のみに留まっています。

しかし上皮間葉転換という過程を経て、浸潤・転移の可能性が高い間葉系がん細胞に変化するといわれています。

マイクロCTC検査は「間葉系がん細胞」を捉える

マイクロCTC検査で捉えるのは、がん細胞のなかでもとくに悪性度の高い間葉系がん細胞です。

がん細胞そのものを直接捉えて個数を明確に割り出すため、従来のがんリスク診断よりもがんのリスクがどの程度あるのか判断しやすいといわれています。

1回5分の採血で全身のがんリスクが検査できる

マイクロCTC検査でおこなわれるのは、採血のみです。所要時間は1回5分程度であるため、仕事や家事・育児の隙間時間でも受けられます。

再発の予兆も早期発見

従来のがん治療では、がんの手術・抗がん剤治療終了後の5年間は半年ごとにPET・CT検査を受ける必要があります。

しかし、PET・CT検査は発がんリスクのある放射線被ばくを受けることになります。

そのため、当初のがんを完全に切除できていても新たにがんが発生する可能性があるのです。

一方、マイクロCTC検査でおこなうのは採血のみです。そのため、発がんリスクのある放射線被ばくを受けることなく再発リスクの早期発見ができます

まとめ

胃がん細胞は神経ストレスによる強い刺激を受けることで、成長が加速するといわれています。

胃がんは早期がんのうちはもちろん進行がんに移行したあとも、自覚症状がとぼしく発見が難しい病気です。

そのため早期発見・早期治療につなげるためには、こまめな検査が必要になります。

一般的に胃がんの検査を受けるには、がん検診もしくは人間ドックや総合検診を受診する必要があります。

しかし、仕事や家事・育児でまとまった時間がとれない方の場合、受診が難しい方もいるでしょう。

そのような方は、まず1回5分で胃がんを含め全身のがんのリスクがチェックできるマイクロCTC検査の受診を検討してみてください。

自身にとってやりやすい方法で胃がんの検査を定期的に受け、早期発見・早期治療へつなげましょう。

※本記事の情報は2023年10月時点のものです。
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〈参考文献〉
※1:がん情報サービス
※2:D.CLINIC since2000
※3:知っておきたいがん検診
※4:第92回東京医科大学病院 市民公開講座

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