「がん検診を受けたいけど、忙しくてなかなか病院に行けない」
「マイクロCTC検査は、ほかのがん検査と比べてどのようなメリットがあるのか」
「マイクロCTC検査のデメリットも知っておきたい」
上記のような悩みや疑問をかかえていないでしょうか。
マイクロCTC検査とは、たった1回5分の採血で全身のがんリスクを評価できる検査であり、がん再発の早期発見にも役立つ画期的な検査です。
本記事を読めば、マイクロCTC検査のメリット・デメリットや、ほかのがん検査と比較した場合の特徴や違いがわかります。がん検診を受ける方法のひとつにマイクロCTC検査を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
マイクロCTC検査のメリット
マイクロCTC検査のメリットには、次のようなものが挙げられます。
- がんを超早期発見できる
- 1回5分で全身のがんリスクがわかる
- がんの再発を画像検査より早くチェック可能
ここでは、それぞれのメリットについて詳しく解説します。
がんを超早期発見できる
マイクロCTC検査には、従来のがん検診と比べてがんを早期に発見できるメリットがあります。
一般的に、従来のがん検査では1cm未満の小さながんは発見がむずかしいといわれていますが、マイクロCTC検査であれば1cm未満の初期のがん細胞でも発見可能です。
がんがステージ1の状態である、約1cmの大きさになったときには、すでにがん細胞は10億個に達しているとも考えられています。
1cmの大きさになってからのがんは1cm未満だったときに比べると進行が加速するため、がんを1cm未満の初期段階で早期発見できるマイクロCTC検査には大きな価値があるといえるでしょう。
1回5分で全身のがんリスクがわかる
マイクロCTC検査を受ければ、1回5分の採血のみで全身のがんリスクがわかります。
従来のがん検査のように、検査の数日前から食事制限をしたり、検査薬を飲んだりする必要もありません。
また、CTがん検査やMRI検査などの従来の検査方法で全身のがん検診をする場合は、一般的に丸一日以上の時間を要します。
そのため、仕事や子育てなどで忙しくてなかなか病院に行けない方にとって、簡便に受けられるマイクロCTC検査は非常に有用でしょう。
従来のがん検査で調べられるがんの種類には限りがある一方で、マイクロCTC検査では、全身のさまざまながんを発見できるメリットもあります。
がんの再発を画像検査より早くチェック可能
マイクロCTC検査は、がんの可能性があるのかを調べるのみでなく、がん治療後の再発チェックにも役立ちます。
がんの手術や抗がん剤治療が終了した方の多くは、その後5年間は再発チェックのために、半年ごとにPETがん検査やCTがん検査などを受ける必要があります。
しかし、PETがん検査やCTがん検査では、1cm未満の小さいがんの検出はできないため、知らぬ間にがんが再発して進行してしまっていることもありうるのです。
実際に、マイクロCTC検査が進んでいる欧米では、がん治療後の再発が心配な方に対し、再発を早期発見する目的でもマイクロCTC検査を使っています。
がんの治療前後における血中がん細胞数の確認をした結果、血中のがん細胞数が減っている場合は治療の効果が出ており、減っていなければ治療効果が発揮されていない可能性があると推測できます。
マイクロCTC検査の結果は、がんの治療効果の判断材料にもなるとともに、再発のチェックにも役立つのです。
従来の検査と比較した際のマイクロCTCのメリット
ここでは、PETがん検査やMRI検査などの従来のがん検査と比較した際の、マイクロCTC検査のメリットを解説します。
<従来の検査と比較した際のマイクロCTC検査のメリット>
・事前準備が不要で、簡便に検査できる
・短時間で全身のがんリスクを確認できる
・医療被ばくのリスクがない
マイクロCTC検査の特徴やメリットが気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。
PETがん検査
PETがん検査とは、がん細胞が栄養分として糖を取り込む性質を利用し、放射性薬剤を使ってがん細胞の活動状況を画像化する検査です。
<PETがん検査とマイクロCTC検査を比較した表>
PETがん検査 | マイクロCTC検査 | |
---|---|---|
検査前の準備 | 検査5~6時間前からの絶食 | なし |
検査時間 | 検査全体で2時間ほど | 1回5分 |
検査できるがんの種類 | 甲状腺がんや大腸がんなど | 全身のがん(血液がん以外) |
医療被ばくのリスク | あり | なし |
PETがん検査を受ける前には、5~6時間前からの絶食が必要だったり、検査に長い時間がかかったりします。
その一方で、マイクロCTC検査では事前準備はとくに必要なく、1回5分の採血のみで検査が終了します。
PET検査は一部のがんの早期発見に役立ちますが、全身をくまなく検査できるわけではありません。
また、がんの大きさが1cm未満の場合は発見が難しく、PET検査で発見された段階ではすでに進行がんへと発展しているケースも少なくありません。
一方で、マイクロCTC検査は血液がん以外のすべてのがんリスクを判定可能であり、1cmに満たないような初期のがん細胞でも見つけられます。
加えて、マイクロCTC検査ではX線や放射性薬剤を使わないため、医療被ばくの心配もありません。
CTがん検査
CTがん検査はX線を用いた画像診断技術のひとつであり、人体の内部を断層画像といって輪切りにしたような画像にして、病変部分の位置や大きさを詳しく調べられる検査です。
< CTがん検査とマイクロCTC検査を比較した表>
CTがん検査 | マイクロCTC検査 | |
---|---|---|
検査前の準備 | 検査3~4時間前からの絶食 | なし |
検査時間 | 検査全体で10~15分ほど | 1回5分 |
検査できるがんの種類 | 肝臓がんや腎臓がんなど | 全身のがん(血液がん以外) |
医療被ばくのリスク | あり | なし |
CTがん検査はPETがん検査と同様に、すべてのがんを調べられるわけではなく、とくに食道や胃などの空洞がある臓器のがんは見つけにくい欠点があります。
また、検査にX線を使用するため、医療被ばくも問題視されています。その点、マイクロCTC検査であれば、短時間で血液がん以外のすべてのがんリスクを判定でき、医療被ばくの心配もありません。
MRI検査
MRI検査は、人体に高周波の電波をあてることで体内の断面を画像化する検査であり、脳や血管、筋肉などの検査に向いています。
<MRI検査とマイクロCTC検査を比較した表>
MRI検査 | マイクロCTC検査 | |
---|---|---|
検査前の準備 | なし | なし |
検査時間 | 検査全体で30分~1時間ほど | 1回5分 |
検査できるがんの種類 | 乳がんや肝臓がん、前立腺がんなど | 全身のがん(血液がん以外) |
医療被ばくのリスク | なし | なし |
MRI検査ではX線を使用しないため、放射線被ばくのリスクがなく、比較的安全性が高いとされています。
しかし、狭い装置のなかで検査するために不安を感じたり、磁場の影響でめまいや吐き気、頭痛を訴えたりする方もいます。
その点、マイクロCTC検査は採血のみと検査が短時間で済むため、検査の負担が少ないといえるでしょう。
線虫
線虫検査とは、研究用に用いられる小型の線虫を用いた検査方法のことであり、嗅覚に優れた線虫が、がんの匂いに反応する習性を応用してがんの有無を調べます。
自宅から尿を郵送するのみで検査できるため、病院を受診する必要がありません。
<線虫検査とマイクロCTC検査を比較した表>
線虫検査 | マイクロCTC検査 | |
---|---|---|
検査前の準備 | なし | なし |
検査時間 | 5分ほど(尿の検体採取) | 1回5分 |
検査できるがんの種類 | 15種類のがん(胃、大腸、肺、乳、膵臓、肝臓、前立腺、 子宮、食道、胆嚢、胆管、腎、膀胱、卵巣、口腔・咽頭) | 全身のがん(血液がん以外) |
医療被ばくのリスク | なし | なし |
線虫検査はマイクロCTC検査と同様に簡便な検査ですが、検査できるがんの種類は15種類と限りがあります。
また、線虫検査は「がん患者の尿の匂い」の指標を元に間接的なリスク指数を表示しているので、検査結果の精度や信頼度にも疑問が残ります。
その一方で、マイクロCTC検査はがん細胞そのものを直接捕捉でき、その数まで明確に示せるため、検査結果に対する大きな納得感を得られるでしょう。
マイクロCTC検査のデメリット
マイクロCTC検査のデメリットには、次の項目が挙げられます。
- がんを確定診断はしない
- 血液がんは検査できない
ここでは、それぞれのメリットについて詳しく解説します。
がんを確定診断はしない
マイクロCTC検査は、がんのリスク判定には役立ちますが、がんの確定診断はできません。
マイクロCTC検査でがんのリスクが高いと判定されたとしても、がんの確定診断をするためには生検で組織を取り出し、病理診断をする必要があります。
肺や内臓など、がんの発生が疑わしい部位によっては生検ができない場合や、病理診断のために組織を取り出す過程で感染症を引き起こす可能性もあります。
マイクロCTC検査を利用すれば、疑いのあるがんが良性か悪性なのかを判断する材料となるため、上記のようなリスクのある生検を不必要に行わなくて済むものの、がんであるのかを即確定することはできません。
血液がんは検査できない
マイクロCTC検査は全身におけるがんのリスクの大半を判定できますが、血液がんとして代表的な白血病や悪性リンパ腫、多発性骨髄腫は検査できないとされています。
血液がんを検査する場合は、基本的に血液検査による血液細胞の数・種類の確認や、腫瘍マーカー検査、骨髄検査などが行われます。
マイクロCTC検査に関してのよくある質問
ここでは、マイクロCTC検査に関してよくある次の質問について回答します。
- どの種類のがんがマイクロCTC検査に合っていますか?
- 血液がんはどのようにして検査すればよいですか?
- 検査の費用と頻度について教えてください
マイクロCTC検査を受けようか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
どの種類のがんがマイクロCTC検査に合っていますか?
従来のがん検査では調べられるがんの種類に限りがあったり、がんの種類ごとに発見の得意・不得意があったりしましたが、マイクロCTC検査は血液がん以外のすべてのがんのリスク判定が可能です。
また、従来のがん検査では見つけられなかった、1cm未満の初期のがん細胞でも発見可能です。
血液がんはどのようにして検査すればよいですか?
白血病や悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの血液がんを見つけるためには、基本的に血液検査によって血液細胞の数や種類の異常を確認したり、がんの種類によってつくられる特徴的なたんぱく質である「腫瘍マーカー」の値を測定したりします。
また、画像検査や骨髄検査などを組みあわせておこなう場合もあります。
検査の費用と頻度について教えてください
マイクロCTC検査にかかる費用は、198,000円(税込)です。
従来のがん検査で全身のがんを調べる場合は、一般的に20~30万円弱ほどの費用がかかるので、マイクロCTC検査は比較的安価といえるでしょう。
マイクロCTC検査は、半年~1年の頻度で受けることをおすすめします。
がんは、cmの大きさになると急速に進行し、半年~1年でステージ1からステージ2や3になることがあります。
がんをステージ1で発見できる期間は非常に短いため、半年~1年の間隔で定期的に検査を受けると安心でしょう。
まとめ
マイクロCTC検査の特徴とメリット・デメリット、従来がん検査と比較した場合の特徴や違いについて解説しました。
マイクロCTC検査のメリットとデメリットは次のとおりです。
<メリット>
・がんを超早期発見できる
・1回5分で全身のがんリスクがわかる
・がんの再発を画像検査より早くチェック可能
<デメリット>
・がんを確定診断はしない
・血液がんは検査できない
また、マイクロCTC検査は従来の画像診断技術と比べて検査の事前準備が不要であり、1回5分の血液検査のみで血液がん以外の全身のがんを調べられます。
検査に放射線を使用しないため、医療被ばくを懸念されている方でも安心です。
仕事や家庭のことで検査をしにいく余裕がない方や、低リスクで全身のがんを簡便に調べたい方には、マイクロCTC検査がおすすめです。
詳細情報
マイクロCTC検査 | |
---|---|
検査費用 | 198,000円 |
検査方法 | 採血 |
検査でわかること | 全身のがんリスク※1 |
捕捉対象のがん細胞 | 間葉系がん細胞 (高悪性度) |