「子宮頸がん検診を受けたいけれど、痛そうで不安」「痛みを感じずに検査する方法はないのだろうか」
という不安や疑問を抱えていないでしょうか。
痛みの不安や恥ずかしさで子宮頸がん検診をなかなか受けられない方も多いでしょう。
しかし、子宮頸がんは自覚症状を感じにくいため、がんがあっても検査をしないと気づけません。
そこで本記事では、子宮頸がん検診における痛みやストレスを軽減するために、検査方法や検査における注意点についてもあわせて紹介します。
子宮頸がん検診について不安に思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
子宮頸がん検診を受けるべき理由
子宮頸がんの初期は自覚症状がないため、子宮頸がん検診を受けないと、がんを発症しても気づけません。
自覚症状が出るころにはすでに進行しており、完治が見込めないリスクも高まります。
子宮頸がん検診を定期的に受けていれば、仮にがんが発見されたとしても初期段階であることが多く、治癒する可能性も高いでしょう。
がんによる死亡リスクや治療による苦痛を減らすには、がんの早期発見・早期治療が重要です。
子宮頸がん検診の種類
子宮頸がん検診とは、子宮の入り口にがんがないのかを確認する検査であり、主に次のようなものがあります。
ここでは、それぞれの検査について詳しく解説します。
子宮頸部細胞診
子宮頸部細胞診とは、子宮頸部(子宮の入り口)を専用のブラシでこすり、採取した細胞を専門家が顕微鏡で観察する検査です。
子宮頸がんや、その前段階の異常な細胞がないかを観察し、異常な細胞が見つかった場合は拡大鏡やMRIなどによる精密検査をおこないます。
経腟超音波(経腟エコー)
経腟超音波は、腟内に超音波を発する「プローブ」と呼ばれる器具を挿入し、臓器で反射した超音波を画像化して子宮や卵巣の異常を調べる検査です。
検査で使用されるプローブは小さいため、一般的に検査時の痛みや違和感は少ないでしょう。
HPV検査
HPV検査とは、子宮頸部から細胞を採取し、子宮頸がんの主な原因である「ヒトパピローマウイルス(HPV)」に感染しているかを調べる検査です。
子宮頸部細胞診で異常がみられた場合に、精密検査としてHPV検査が実施されることもあります。
HPVは人間の皮膚や粘膜に感染するウイルスで、感染の主な原因は性交渉です。
HPVへの感染自体はまれなことではありませんが、多くの場合は自覚症状のないうちに自然に排除されます。
しかし、排除されずに感染が持続すると子宮頸がんが発生する場合があります。
コルポスコープ診
子宮頸部細胞診で異常が確認された場合には、診断を確定させるために、「コルポスコープ診(腟拡大鏡診)」と呼ばれる検査をおこなうことがあります。
コルポスコープ診では、コルポスコープと呼ばれる拡大鏡を使用して子宮頸部を観察したり、病変が疑われる部分の組織を少量採取して病理学的な検査をおこなったりします。
子宮頸がん検診は痛い?不安な方向けの検査
子宮頸がん検診では、膣の細胞をブラシでこすって採取したり、超音波を発する器具を膣に挿入したりするため、痛みや違和感を感じる方もいるでしょう。
検査時の痛みがどうしても不安な方には、「骨盤腔MRI検査」を受ける方法もあります(※1)。
「MRI検査」と聞くと、脳や腹部を輪切り化した画像をイメージする方が多いでしょうが、子宮や卵巣の異常の確認も可能です。
MRI検査であれば肌を露出せず、検査着のままで検査できるため、痛みを感じる心配はありません。
子宮頸がん検診で痛いと感じないためのポイント
ここでは、子宮頸がん検診における痛みを和らげるためにできる、次の工夫について紹介します。
子宮頸がん検診を受けるべきだとは思いつつも、痛みの不安でなかなか受診できない方はぜひ参考にしてみてください。
性交渉や出産の経験の有無を申告
子宮頸がん検診を受ける際に感じる痛みや違和感には個人差がありますが、性交渉や出産の経験がない場合はより強く感じやすいといわれています。
検査前に申告すれば、医療機関によっては膣内の細胞をこすり取る細胞診ではなく、経腟超音波検査や経腹超音波検査に切り替えられることもあります。
経腹超音波検査とは、腹部に検査用のゼリーを塗り、検査機器をすべらせて動かしながら子宮の状態を調べる検査です。
腟に器具を挿入する必要がないため、検査時の痛みや違和感、出血などを避けられます。
性交渉や出産の経験がない方は問診票に必ず記入し、内診時にも直接医師や看護師に伝えるといいでしょう。
深呼吸する
検査中の痛みを軽減するためには、深呼吸をして落ち着くことが大切です。
痛みへの不安で過度に緊張すると、痛みや違和感が強まることがあります。
身体の力は息を吐くときに抜けやすいため、検査器具が挿入されるタイミングでゆっくり息を吐くといいでしょう。
身体の力を抜く
検査の際に身構えてに身体に力が入ると、痛みや違和感が強くなることがあります。
うまく力を抜けるか不安な方は、深呼吸をしたり楽しいことを考えたりすると緊張がほぐれて痛みを感じにくいでしょう。
定期的に受診して慣れる
子宮頸がん検診は、20歳以上の女性に対して2年に1回の受診が推奨されている検査です(※2)。
20歳を過ぎたらなるべく早く受診し、痛みや違和感に慣れるためにも定期的に検査を受けることをおすすめします。
検査の流れや、痛みを感じやすいタイミングがわかれば、身構えずにリラックスして受けられるでしょう。
検査時の不安や恥ずかしさでなかなか受診できない方は、女性医師に担当してもらえる医療施設を選ぶ方法もあります。
子宮頸がん検診後も痛いと感じる場合の対処法
ここでは、子宮頸がん検診のあとにも痛みが続く場合の対処法について紹介します。
それぞれの対処法について詳しく解説します。
数日は様子を見る
検査後に痛みを感じる方がいますが、基本的には数日でおさまるため、過度な心配は必要ないでしょう。
ただし、痛みが長期間続く場合は、検査をした医療施設への早めの相談をおすすめします。
出血が続く場合は相談
検診後に少量のにじむような出血が見られる場合がありますが、大抵の場合は数日でおさまります(※3)。
ただし、多めの出血が見られる場合や長期間止まらない場合には、検査により子宮頸部が傷ついている可能性があるため、早めに医療機関に相談しましょう。
血行が促進されると血が止まりにくくなる可能性があるため、出血がおさまるまでは激しい運動や飲酒などは控え、入浴もシャワーのみで済ませることをおすすめします。
生理痛以外の腹痛がある場合は相談
検査の合併症として、まれに子宮内の感染を起こすことがあるため、検査後に長引く腹痛や発熱などには注意が必要です。
子宮頸がん検診を受けたあとに生理痛以外の腹痛がある場合は、早めに医師に相談しましょう。
子宮頸がん検診についてよくある質問
ここでは、子宮頸がん検診についてよくある質問について回答します。
子宮頸がん検診についてより詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
- 子宮頸がん検診を受ける頻度は?
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子宮頸がん検診は20歳以上の女性を対象に、2年に1回の検査が推奨されています(※1)。
「毎年検査しなくて大丈夫なのか」と不安を抱く方もいるのかもしれませんが、毎年受けても隔年で受けても予防効果は変わらないとされています(※4)。
子宮頸がんは非常にゆっくり進行し、前がん状態といわれる段階から進行がんになるまでには、2~3年はかかるといわれているためです。
- 子宮頸がん検診以外でがんに気付く方法は?
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子宮頸がんの初期には自覚症状がほぼないため、検査をせずにがんに気付くことは難しいでしょう。
不正出血や腹痛などの自覚症状が出るころには、進行がんになっていることも少なくありません。
進行がんになると、子宮の摘出手術が必要になったり妊娠が難しくなったりする場合もあります。
がんが子宮外の臓器に転移している場合には、命にかかわることもあるでしょう。
生存率を高めたり、治療による負担を少なくしたりするためには、症状が出てから病院に行くのではなく、無症状のうちからの定期的な検査が大切です。
- 性交渉をしなければ子宮頸がんは発症しない?
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性交渉の経験がない方では、子宮頸がんの発症リスクは限りなく低いとされています。
子宮頸がんの主な原因であるヒトパピローウイルス(HPV)には、性交渉で感染する可能性が高いためです。
しかし、絶対に子宮頸がんにならないとはいいきれません。
まれではありますが、HPVが原因でない子宮頸がんも報告されているため(※5)、性交渉の経験がなくても定期的に検査を受けたほうがいいでしょう。
身体的負担が少ないマイクロCTC検査がおすすめ
子宮頸がん検診に抵抗がある方には、身体的負担が少ないマイクロCTC検査がおすすめです。
マイクロCTC検査は、血中に流れる悪性がん細胞を捕捉し、全身のがんリスクを調べられる検査方法です。
また、子宮頸がんに備えたい方に嬉しい次のような特徴があります。
それぞれの特徴について詳しく解説するため、子宮頸がんの検査を検討している方はぜひチェックしてみてください。
1回5分の採血のみで痛みがほぼない
マイクロCTC検査は、1回5分の採血のみで完結するため、痛みがほぼない点が魅力です。
採血は普通の血液検査と同じようにおこなわれ、注射程度の痛みが我慢できる方であれば無理なく受けられるでしょう。
また、5分の短時間で検査できる点も、体の負担を抑えられ、忙しい合間でも受けられるメリットがあります。
とくに、痛みが不安な方や苦手な方も、安心して検査できるためおすすめです。
がんの早期発見につながる
がん検診で一般的な超音波検査やMRI、CTなどの画像検査では、小さながんを発見しにくい傾向があります。
しかし、マイクロCTC検査は血液中に漏れ出したがん細胞を捕捉するため、超早期の段階で治療に繋げられます。
がんを早期発見できれば手術や放射線治療などの根治的な治療ができるうえ、費用や身体的、精神的な負担の軽減が可能です。
また、早期治療によりがんの再発や転移のリスクも低減されます。
このように、がん治療において早期発見と治療は重要であるため、子宮頸がんを含む全身のがんに備えたい方は、ぜひマイクロCTC検査を検討してみてください。
まとめ
子宮頸がん検診の細胞診や経膣超音波検査では、検査器具を膣に挿入する必要があり、多少の痛みや違和感を生じる場合があります。
検査時に過度に緊張していると身体に力が入り痛みを感じやすくなるため、深呼吸をしたり、楽しいことを考えたりしてリラックスしましょう。
子宮頸がんの初期には自覚症状がないため、基本的には検診を受けなければ早期に見つける方法はありません。
検査時の痛みや違和感が不安でなかなか検査を受けられていない方は、本記事で紹介した対処法をぜひ参考にしてみてください。
<参考>
(※1):東京都福祉保健局 子宮頸がんってどんな検査?
(※1):婦人科疾患検診(MRI検査)|受診のご案内|東邦大学医療センター
(※2):東京都福祉保健局 子宮頸がんってどんな検査?
(※3):公益財団法人 北海道対がん協会 子宮がん検診 検診終了後の注意事項
(※4):子宮頸がん検診の内容|荒川区
(※5):2)子宮頸がんはどのようにして起こるのですか? どのように予防できるのですか?|公益社団法人 日本産科婦人科学会