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おすすめの膵臓がん検査キット5選!早期発見の重要性も解説

膵臓がんは、進行スピードが早く、ほかの臓器に転移する可能性が高いため、早期発見が重要な疾患です。

しかし、大半の膵臓がんは、初期の自覚症状が現れません。そのため、不調を感じたときにはすでに進行し、治療が困難になるケースもあります。

とくに注意が必要なのは、家族に膵臓がんになった人がいる方や、糖尿病や慢性膵炎を患っている方、喫煙や飲酒の習慣がある方、肥満の方です。

これらの要因により、膵臓がんの発症リスクが高まることがわかっています。

本記事では、膵臓がんの概要と原因、おすすめの膵臓がん検査キットや医療機関での精密検査について詳しく解説します。

膵臓がんについて正しく理解し、早期発見を目指しましょう。

目次

膵臓がんとは

膵臓がんとは、膵臓にできるがんのことで、多くは膵管(膵液が通る管)の細胞から発生します。

膵臓がんは自覚症状に乏しく、早期発見が困難なうえに転移しやすい性質をもっており、発見されたときには病期が進んでしまっているケースがあります。

まずは、膵臓がんの概要を確認しましょう。

自覚症状がない

膵臓がんは、初期の自覚症状がない場合が多く、がんのなかでも発見や治療が難しいといわれています。

進行すると、食欲不振や体重減少、全身の倦怠感、うつ、腹・腰・背部の痛み、黄疸などの症状が現れます

しかし、いずれも膵臓がん独特のものではなく、ほかの疾患でも起こる可能性があり得る症状ばかりです。また、個人差もあり、必ず症状が出るとは限りません。

膵臓がんは「サイレントキラー」ともよばれており、自覚症状が出たときには手の施しようのない、治療困難な状態まで進行しているケースも少なくありません。

早期発見が難しい

膵臓がんは、自覚症状がないため早期発見が難しい疾患です。早期(ステージ0~ステージⅠ期)に発見された割合は、全体の約2%に過ぎません。※1

また、膵臓は胃の裏側の奥深い場所にあり、ほかの臓器や血管で囲まれているため、腫瘍を見つけにくいことも、がんの発見の遅れにつながっています。

下記の表は、全国がんセンター協議会「部位別臨床病期別5年相対生存率」による、ステージ別の膵臓がんの症例比率と5年相対生存率(2011~2013年)です。

ステージ(進行度)症例数・比率5年相対生存率
Ⅰ期407(6.6%)49.8%
Ⅱ期1,608(26.2%)21.6%
Ⅲ期928(1.5%)6.9%
Ⅳ期3,057(49.9%)1.9%

膵臓がんの発見時には、ステージⅣ期であることが多く、同時に5年相対生存率が著しく低いことがわかります。

転移しやすい

膵臓がんは、転移しやすいとされています。とくに、膵臓の周辺のリンパ筋や肝臓に転移する可能性が高いです。

また、種がまかれたようにがん細胞が散らばり、臓器の壁を超えて腹膜に広がる腹膜播種が起こるケースもあります。

がん細胞は、成長とともに浸潤・転移する運動性が高くなりますが、膵臓がんの場合、細胞が小さなうちから転移する性質が認められています。

そのほか、再発しやすい点も膵臓がんの特徴です。外科的手術でがんを取り除いたとしても、目に見えない小さながん細胞が残っている場合があります。

そのため、膵臓がんの再発防止には、手術前・手術後の一定期間、薬物療法をおこなうことが大切です。

膵臓がんの原因

日本膵臓学会「膵がん診療ガイドライン2019の解説」によると、膵臓がんのおもな原因は下記の5つです。

  • 喫煙習慣
  • 肥満
  • 食生活
  • 慢性膵炎
  • 糖尿病

次の章では、これらの危険要因と発症するリスクについて詳しく解説します

喫煙習慣

喫煙習慣は、膵臓がんの発症にも深く関係しています。喫煙習慣がある方は非喫煙者に比べて、膵臓がんの発症リスクが1.68倍増加すると報告されています。※2

男女別の膵臓がん発症リスクは、男性で1.5%、女性で1.83%です。※3

また、1日の喫煙量や喫煙年数が増えるに従い、リスクはさらに上昇します。

タバコに含まれる有害物質は、膵臓の細胞にダメージを与えてがん化を促進させるほか、膵臓がんの危険因子である遺伝子性膵炎を引き起こす恐れがあります。

膵臓がんはもちろん、喫煙はすべてのがんの発症に関わっていることが認められているため、がん予防には禁煙が必要不可欠といえるでしょう。

肥満

肥満は、がんをはじめとするさまざまな疾患の原因になります。

20代でBMIが30以上の場合、膵臓がんの発症リスクが3.5倍高まるため、とくに若年成人期の肥満に注意が必要です。※4

体内の糖を処理するインスリンは、食べ過ぎや運動不足により分泌量が増加します

インスリンの過剰分泌により、がん細胞の増殖が促進されて、膵臓がんの発症につながります。

また、肝臓や筋肉、膵臓など、本来は脂肪がたまらない場所に脂肪が蓄積し、膵臓がんのリスクを上昇させてしまうケースも少なくありません。

膵臓がんの予防には、体重の管理が重要です。

食生活

食生活においては、過度な飲酒習慣が膵臓がんの原因に挙げられます。

膵臓がんの危険要因である慢性膵炎の最も多い原因が、アルコールです。

そのため、純アルコールに換算して1日に37.5g(ビールの場合、750ml以上)の摂取で、膵臓がんのリスクは1.22倍に上昇します。※5

また、アルコールにより、活性酸素を除去する抗酸化能が弱まることで細胞がダメージを受ける「酸化ストレス」も、膵臓がん発症の要因の一つです。

膵臓がんの発症を防ぐためには、適度な飲酒量を守る必要があります

そのほか、肉や揚げ物など脂っこい食事を中心とした食生活は、肥満や糖尿病にもつながります。

野菜や果物を積極的に取り入れるなど、食生活を見直してがんを予防しましょう。

慢性膵炎

慢性膵炎は、膵臓がんの危険要因の一つです。4年以内に慢性膵炎と診断された場合、健常者と比べて14.6倍、膵臓がんの発症リスクが高まります。※6

慢性膵炎とは、膵臓に繰り返し炎症が起こることで細胞が破壊されて、膵臓が痩せて硬くなる疾患です

最も多い慢性膵炎の原因は飲酒です。また、喫煙習慣も慢性膵炎を引き起こすといわれています。

上腹部や腰背部の痛み、膨満感、倦怠感など、膵炎が疑われる症状がある際は、速やかに医療機関を受診しましょう。

糖尿病

糖尿病患者は、健常者に比べて膵臓がんの発症リスクが1.96倍高いです。※7

糖尿病と診断されてから2年以内に膵臓がんを発症するケースが多く、血糖値のコントロールの悪化が原因とされています。

膵臓は、体内で血糖値を下げるホルモンをつくり、血液中にインスリンを分泌する働きがありますが、膵臓にがんが発生すると、分泌機能が低下し、血糖値が急に高くなります。

そのため、糖尿病を患っている方はもちろん、健康診断や人間ドックなどで急激な血糖値の上昇を指摘された方も注意が必要です。

おすすめの膵臓がん検査キット

ここからは、おすすめの膵臓がん検査キットを紹介します。

  • N-NOSE plus すい臓
  • マイシグナル®
  • すい臓がん腫瘍マーカー検査キット

それぞれの特徴や検査方法について、詳しく解説します。がん検診を受診する時間がない方や、手軽に膵臓がんのリスクを知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

N-NOSE plus すい臓

「N-NOSE plus すい臓」とは、尿に含まれている「がん」の匂いに反応する、線虫の特性を利用した尿検査です。

「N-NOSE plus すい臓」では、まず15種類のがんを検知する通常の線虫を使用し、網羅的に全身のがんリスクを調べます。

その後、膵臓がんの匂いにのみ反応しない特殊な線虫を使用し、膵臓がんのリスクを判定します。

検査を希望する方は、インターネットから検査キットを購入し、マイページに登録して尿の提出予約をおこない、採取した尿を集荷スタッフ、または指定場所へ提出ください。

約4~6週間後に、郵送およびマイページで検査結果の確認が可能です

万が一、膵臓がんのハイリスク判定が出た場合、専門スタッフがオンライン相談を通じて、精密検査に関する情報や提携医療機関の紹介など、次のステップを案内します。

マイシグナル®

「マイシグナル®」は、がんになりやすい遺伝子や、がん細胞が放出する物質に着目した検査です。

だ液で手軽にできる検査と、尿検査の2つのタイプから選べます。

だ液でおこなう「マイシグナル・ナビ」では、唾液からDNAを抽出し、遺伝子的にがんになりやすい傾向を調べることが可能です。

尿検査の「マイシグナル・スキャン」は、細胞間の伝達物質であるマイクロRNAを抽出・測定し、AIで分析して現在のがんリスクを判定します。

徹底的にがんリスクを調べたい方は、2つのタイプを組み合わせましょう。

検査キットを購入後、ご自宅でだ液または尿を採取してラボに郵送すれば、30営業日後に検査結果が届きます。また、検査結果はオンラインでも確認が可能です。

がんリスクが高いと判定された場合、精密検査の詳細や生活習慣の改善など、具体的な次のアクションの提案がある点も魅力です。

すい臓がん腫瘍マーカー検査キット

「すい臓がん腫瘍マーカー検査キット」は、膵臓がんに特異性をもつ腫瘍マーカー「CA19-9」の数値を調べる血液検査です。

自身で採取した血液を検査キットに数滴垂らせば、15分後にその場で検査結果がわかるため、抗体を郵送する手間や検査結果を待つ時間が省けます。

また、ほかの検査キットに比べてリーズナブルな価格設定も魅力の一つです。

しかし、「すい臓がん腫瘍マーカー検査キット」は、肝臓・腎臓の障害や持病、飲酒・喫煙などの生活習慣、服用している薬などの影響を受けて、誤った検査結果が出る場合があります。

膵臓がんの早期発見の重要性

膵臓がんは、多くの場合自覚症状がないため、知らぬ間に進行し治療が困難になるケースがあることから、早期発見が非常に重要な疾患です。

また、病期が進むにつれて、5年生存率が非常に低くなることもわかっています

ここからは、膵臓がんの早期発見の重要性について解説します。

膵臓がんは症状が現れてからでは遅い

膵臓がんは、進行スピードが早く、症状が現れてからでは遅いといわれています。

その理由は、初期の段階では自覚症状が現れにくく、重症化してから見つかるケースが多いためです

また、大半のがんは、細胞が成長してから浸潤・転移するのに対し、膵臓がんは細胞が小さなうちから周辺の臓器に広がり、あらゆる場所に転移します。

気付かないうちに進行し、がんが転移しているケースが少なくありません。そのため、膵臓がんは症状が現れる前に見つけることが大切です。

罹患リスクが男女共に50歳からある

膵臓がんは、男女ともに50歳から発症リスクが上がり、高齢になればなるほど高くなります。※8

年齢階級別の疾患率は、下記のとおりです。

年齢男性女性
50~54歳15.6%10.1%
55~59歳28.0%20.1%
60~64歳47.7%30.5%
65~69歳75.8%46.9%

また、高齢者の場合、ほかの疾患の影響や免疫機能の低下により、膵臓がんの進行が早まる可能性があるため、早期発見がとくに重要です。

生存確率が上がる

膵臓がんの早期発見は、生存率を上げることにつながります。

下記は、国立がん研究センターが公表している「院内がん登録」から算出された、ステージ別の5年生存率です。

  • ステージⅠ期:49.9%
  • ステージⅡ期:20.8%
  • ステージⅢ期:5.8%
  • ステージⅣ期:1.5%

ステージⅠ期の5年生存率の約50%に対し、ステージⅣ期の5年生存率は1.5%と著しく低く、早期発見の重要性がわかります。

膵臓がんの医療機関での精密検査

最後に、膵臓がんにおける医療機関での精密検査について解説します。おもな検査は下記のとおりです。

  • CT検査
  • MRI検査
  • 超音波内視鏡検査
  • 内視鏡的逆行性胆管膵管造影
  • 細胞診・組織診
  • PET検査

それぞれの検査内容を把握し、状況に応じて複数の検査を組み合わせながら、膵臓がんの早期発見を目指しましょう。

 CT検査

X線を当てて体の断面を画像化し、膵臓がんの有無や広がり、転移を確認する検査です。

体の奥深くに存在する膵臓を、さまざまな角度から観察するのに有効です。また、周辺の臓器や血管の位置も捉えるため、がんのステージ評価にも役立ちます。

CT検査は、一般的にヨード造影剤を使用するため、ヨウ素アレルギーの方は受けられません。また、医療被ばくのリスクがあります。

MRI検査

MRI検査では、強力な磁力の力を利用して体内の断面を撮影します。膵臓がんが発生しやすい膵管の状態や、膵臓液の流れを確認します。

CT検査と異なり、医療被ばくのリスクはありません

しかし、MRI検査は磁力と電波を使い磁場を発生させておこなうため、ペースメーカーや入れ歯、人工関節など、体内に金属が入っている方は、検査を受けられません。

超音波内視鏡検査

超音波内視鏡検査は、超音波が発生するプローブをつけた内視鏡を口から挿入し、膵臓の状態を調べる検査です。

近距離から膵臓が観察できるため、ほかの検査に比べ、詳細な情報と精細な画像が得られることが特徴です。小さな膵臓がんの発見に大変有効な検査といえます。

また、疑わしい病変があった際は、組織の一部を吸引し、検体の採取をおこないます。

内視鏡的逆行性胆管膵管造影

内視鏡的逆行性胆管膵管造影は、内視鏡を口に入れて膵管に造影剤を注入し、X線で胆管や膵菅を撮影する検査です。

より詳細に膵菅が観察できることはもちろん、胆液や膵液の採取も可能であるため、ほかの検査で確定診断が出なかった場合におこなわれることがあります。

検査には麻酔が必要であるほか、急性膵炎を引き起こす可能性があるため、一般的に入院が必要となります

細胞診・組織診

細胞診・組織診は、がんの確定診断に用いられる検査です。

超音波内視鏡検査や内視鏡的逆行性胆管膵管造影などで採取した細胞や組織を、顕微鏡で精査します。

手術治療や抗がん剤の選択など、治療方針の決定にも関わる重要な検査です。

PET検査

PET検査は、正常の細胞よりブドウ糖を多く取り込むがん細胞の性質を利用した検査です。

体内にブドウ糖とよく似たFDGを注射し、取り込まれるブドウ糖の分布を画像化して、がんの有無や広がりを確認します。一度に全身の撮影ができることが特徴です。

一般的に、膵臓がんの診断が確定し、ほかの臓器への転移を確認するためにおこなわれるケースが多いです。

まとめ

本記事では、膵臓がんの概要や原因、検査キットについて解説しました。

膵臓がんは、初期の自覚症状がないため、早期発見が難しく、また、転移しやすい性質をもつ疾患です。

進行スピードが早く、発見されたときにはステージⅣまで進んでいるケースも少なくありません。

喫煙や過度の飲酒、肥満などは、膵臓がんの発症リスクを高めることがわかっています。生活習慣を見直して、膵臓がんの予防につなげましょう。

※本記事の情報は2023年11月時点のものです。

〈参考サイト〉

※1:一般財団法人 日本消化器病学会「消化器難治癌シリーズ① 膵癌
※2、※3、※4、※5、※6、※7:一般社団法人 日本膵臓学会「膵がん診療ガイドライン2019の解説
※8:がん情報サービス「がん統計 膵臓

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