『がん治療のパラダイムシフト(番外編)』:もう治療法がないと言われたら
ここ数十年、がん治療はめざましく進歩しています。とは言っても、やはり現時点においても、がんの治療の主たるものはいわゆる三大療法(手術、化学療法、放射線治療)で、それらが効かない、あるいは初めからそれらを受けたくないという方に、提示できる有効な治療法は、がん専門病院にはありません。メニューにないものを注文しても、それは「できません」と言われるだけです。
はじめからカードは4枚しかありません。
「手術」、「化学療法」、「放射線治療」、プラス「緩和ケア」です。
順番が前後したり、それらを組み合わせて使用することは出来ますが、基本的にはこれ以外のメニューはありません。
念のため、誤解のないように明記しておきますが、
わたしは別にいわゆる三大療法(手術、化学療法、放射線治療)を否定しているわけではありません。「批判」や「否定」には、「たたかう」とか「あらそう」というニュアンスが感じられます。「出したものが返ってくる」、「ひとは蒔いた種を刈り取る」と言っている者が、わざわざそんなややこしい種を蒔くことはいたしません。わたしは平日の午前中は毎日、芦屋放射線治療クリニックのぞみで放射線治療外来を担当していますし、今でも西洋医学の医師をしております。ここではただ単に、病院で受けられるがん治療の選択肢が限られているという事実を述べているだけです。
本編の中でも述べていますが、同じ行為であっても、どういう意識で行うかでまったく意味が異なります。「出しているもの」が違いますから、「返ってくるもの」がまったく違います(「原因と結果の法則」)。
ですから、「どういう治療を受けるか」と同じくらいに、「どういうイメージを持って、その治療を受けるのか?」「その治療のこと、本当はどう思っているの?」というところが大事なのです。
その辺に関して詳しくは「サイモントン療法――治癒に導くがんのイメージ療法」(川畑伸子著: 同文舘出版)をご参照ください。
「医療機関にできることは限られていますが、あなたにできること、あなたにしかできないことはたくさんあります」
「もううちでできる治療法はありません」、「他の医療機関へ移ってください」と言われたら、
奥野クリニックを受診して下さい
きっと今後につながるヒントが見つかると思います
今回の連載はここまでです。
お付き合いいただきまして、ありがとうございました。
皆様の益々のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます
2017年5月吉日 新しい世界の始まりの日に
奥野クリニック 院長 奥野芳茂
神戸がん統合診療ガイド@奥野クリニック